2017.12.26 Writer:

#003 M’sコラム 木造住宅の耐震性能について考える 「各社の独自性を出す」

●住宅と車の大きな違い

 車を買うイメージをしてみてください。
予算、用途、性能、デザイン、好きなメーカーなどなど様々なことを考え選択すると思います。
 そして軽自動車にしよう、ミニバンの方がいいかな、でもおしゃれな方がいい、燃費が大切、サーフィンをするから、趣味はスキー、高級感が欲しい、スポーツカーでかっこよく走りたい、このように具体的にイメージしてイメージした車が売っている店に足を運ぶと思います。
 軽自動車を買おうと思う人はベンツを見に行きません。そこに自分の欲しい車がないと知っているからです。

これって、自動車業界が車を明確に選択できるように整理しているからだと思いませんか?

●住宅会社はどうでしょう?

これを住宅会社で例えてみると、軽自動車を売っている会社も、エコカーを売っている会社も、高級車を売っている会社も、各社のカラーが明確に見えていないため消費者には自動車会社(実際には住宅会社)を事前に選ぶことができません。
 これは、告知ができていないというよりは、そもそも自社の強み、持ち味が不明確なため、住宅会社自体も自分たちはどんな車(実際には住宅)をつくるべきかわかっていません。

 そうすると、消費者は軽自動車、エコカー、高級車様々な会社に声を掛け、同じステージにならべ吟味します。
 価格は軽自動車、デザインは高級車と無謀なことを言いはじめます。そして高級車の営業マンに軽自動車の価格で何とかならないかを交渉します。ところが高級車の営業マンも仕事欲しさに本気で軽自動車の価格にならないかを考え、質を落としてまでも消費者のニーズに応えます。で、出来上がった住宅は高級感もなくなり消費者は不満を抱く、住宅会社は利益がなく頑張ったのに報われない・・・。
 こんな状況がありように思います。

●独自性を打ち出せば、怖いことはなくなる!

 車のように住宅も独自性を発揮すれば良いのです。
地元にローコストメーカーが出てきたから仕事がなくなる!
こんなことをよく聞きます。
考えてみてください。ローコストーメーカーは軽自動車を売っている会社だと思えば良いのです。軽自動車を売らず、省エネ性能に特化したエコカーや高級車を売れば何も怖くはありません。
そもそも、ニーズが違うのですから。
 

Writer

佐藤 実(さとう みのる)
株式会社M’s(エムズ)構造設計 代表取締役社長/「構造塾」塾長
学生時代から構造を志し、社会人で鉄骨造や鉄筋コンクリート造の構造計算を勉強する。阪神淡路大震災が起こり、構造計算をしていない木造住宅が軒並み倒壊している現場を目の当たりにし、「このような惨劇が二度と起きないよう日本中の木造住宅を地震で倒壊させない!木造住宅の構造計算をしよう」と決意。
現在は住宅をつくる側から、構造設計する側へ完全移行するため「㈱M’s構造設計」を設立し、構造安全性に対する知識を持ち、構造計算できる技術者が増えることでもっと安全な木造住宅がたくさん増えると考え「構造塾」を設立。現在、会員数は約1000名。
ダイエットのランニングがきっかけでマラソン大会、トライアスロンに挑む塾長兼スポーツマン。